娘よ、保険の本を2冊読んでわかったことを書いておくぞ
前記事の続きで、もう一冊、保険の本を読んだ。
Kindleで読める安い本が無いかな、と思って探していたときに見つけた、こちら
???
うまく貼り付けられない…Kindle本だからかな。
「30分でわかる生命保険:『生命保険』って、ホントは、とっても簡単!」という本です。
この本の結論まとめ
- 「2年以上の入院」を最重要視せよ
- シンプルでわかりやすい保険に入れ
内容メモ
- 生命保険商品を難しいのは、素人に売りやすくするため
- 雑誌の生命保険特集は部数が伸びる鉄板ネタ。生命保険会社からの広告を得るために書かれていると思って良い
- 過去、共済を潰すため(自分の会社を守るため)、改正保険業法を施行させた。
- 生命保険=主契約(ちょっと)+特約(掛け捨て10年更新)。
- それでも、「掛け捨てじゃない!」と言い切って営業してくる
- 転換はしない。保険を見直すときは、特約のみを見直すべき。
- 保険料の支払いが65歳で終わると、終身保険の存在を忘れられがち。
- 本人でも忘れるのだから、家族が覚えているわけない。→保険会社の利益
- 10年ごとに掛け金が上がるので、10年たつ前に下取り転換をすすめてくる
- 「保険は加入するものではなく、高額で買うものだ」という意識を持つべき。入ったから安心、ではなく、サービスを購入した。
- 保険とは、自分で理解していて請求しない限り保険金はもらえない金融商品。
約款が複雑で、保険会社に有利。出ると思っても出ないものと心得よ - 支払われない3大理由:「難しくて特約部分の請求をしない」「雰囲気で入ったので、出ると思っても約款で出ない」「告知義務違反」
難しい保険に入って、万一の時にこうならないように。 - 告知欄は、正確に書くこと。
- 生命保険を預金と考えるのはダメ。表示されている金利にだまされないで、具体的に戻ってくるお金を計算すること。
銀行と比べた時に、おそらく大差ない。あったとしても、様々なデメリットを許容できるレベルではない。(必要なときに下ろせない、満期の時の掛け捨て保険への勧誘の凄まじさ、途中で下ろすと元本割れ) - 生命保険会社の言う「元本」とは、貯蓄として預けた金額ではなく、「死亡保険金」を指している。65歳までに死ねば元本は保証されるが、生きればされない。ちなみに、20歳まで生きている人のうち、65歳までに死ぬ人は1000人のうち3人。
- 仮に多額の保険金が出た場合、親族は逆に戸惑い、生活が破綻するケースも。
- FP、保険ショップ、販売員は売るプロ。保険ショップは社長もクズ。
- 保険商品のCMはどんどん変遷している。「時代が変わったから」ではなく、売りやすいものを出すから。時代が変わっても保険のニーズは変わらない。
- 生命保険のコミッション形態は、最初の2年間にドカンと払われて、あとは支払われない。新規契約を撮り続けない限り生活が成り立たない
- 貯蓄目的で保険に入るのはダメ。「利回り」の意味がだいぶ異なる。
- 死亡保険金を払ったら、貯蓄分は支払われない。たとえ、貯蓄が1000万、死亡保険金が200万でも。
- 預けるお金は銀行と比較し、保障は保険会社の掛け捨て保険と比較する(共済など)。→終身保険は養老保険などの貯蓄性のある生命保険には入りたくなくなる
- 死んでももらえないのが終身保険、と心得よ。亡くなるのは、記憶力が悪くなった70歳を超えてから。既に支払いも終えている。本人すら忘れているこの保険を、他の誰かが覚えているわけはない。
- 満期になった時の満期金を掛け捨ての医療保険にという営業がすごい。年齢的なものもあり、根負けするケース多数
- CMをしている保険には入るな。「入れます」とは言っているが「払います」とは言っていない
- セット商品は買わない。
- パソコンの画面を見せさせられても信用しない。
- 自分が加入している保険を簡単に理解するには、下記項目で「総額でいくら出るか」「掛け金は今後いくらになるか」を確認する。
・病気で死んだ時
・盲腸で4日間の入院・手術
・ガン以外の病気で2年入院 (重要!はぐらかされないこと)
・上皮内癌で手術と通院5日
・ガンで2年入院
・現時点での掛け金
・50歳の時の掛け金
・60歳の時の掛け金
・65歳の時、ガン以外の病気で2年入院 - 「満期まで解約せず、死亡せず入院しない場合に戻ってくる保険」は意味が無い。入院しても請求しない弊害などが発生する。戻ってくるお金はただの積立金なのでメリットは無い
- 保険とは、「本当に困ったときに助けてもらえる」ものでなくてはならない。
それは、下記の2つ。
・夫が亡くなった時
・2年を越えるような超長期の入院をした時 (重要!) - よくある、「入院1日あたり1万円」のものは、2年を超える入院のときに出るのはたったの60万円(2ヶ月分)。「期間中730日」も、1回あたりではない。(しかも、判断は保険会社任せ)
- 「健保の関係で3ヶ月を越える入院は難しい」→普通、転院して治療を続ける
- 「医学の進歩で入院日数は減ってきている 平均35日」→転院時に足されているわけではないし、最後に亡くなったらカウントされない。
一回の入院で180日以上の入院をした人の平均入院日数は315日。 - 70%くらいの位置に書いてある「夫が2年間の入院後亡くなった」のケースが本当に地獄。2ヶ月滞納の契約解除は普通にありそう。
これまで散々払ったのに、死亡保険金まるまる保険会社のもの。そりゃ一等地にビルも建つわ… - 長期入院の保険は高い。→リスクが高いから。
- 巻末のガンのトリビアもなかなか役に立った
モデルプラン
子供のとき
- 学資保険、こども保険はムダ。医療費はかからないし、貯蓄で十分。育英費用なら死亡保険をちょっと増やせ
- お守り代わりに、共済などの「子供型」ならまぁいいかも。安い
- 3歳になったタイミングで、1回の入院で3年連続して保証してくれる入院保険を終身型で加入。子供が社会人になったら、就職祝いで契約を譲ってあげる
- 個人賠償保険は入るべき(損保)。自動車保険の特約が良い。
社会人(独身)
結婚したら
- 子供ができるまでは、独身のときと同じで良い。夫婦型や家族型はダメ。夫の死亡で保障が無くなるし、離婚のリスク。保険は別々が良い。
子供ができたら
- 学資保険、こども保険の勧誘を無視する。
- 子供の頃に入っていた終身タイプの医療保険、共済に加え、万二値の場合に残された家族が「生活を立て直す」ために1000〜2000万円入る。(これでも多い?)
- 損保の傷害保険を検討
- 助成金や減免制度、高額療養制度について確認
子供が育ってきたら
- 私立に通うなら、その間は1000万円増額。(子供が社会人になったら減額)
- 保障額が徐々に下がる「逓減定期」「収入保障」は返戻金をきちんと見て損か得かを判断すること。そこまで緻密に毎月保障額を減らす必要がどこにあるのか?
- ガン保険は収入保障的な側面が強い。いろいろかかるので、治療実費ではなく、一時金を重視せよ。また、0期のガン、再発時、免責期間は確認。
- がん保険の死亡保障は不要。なぜなら、ガンが原因で死んだ、とカルテに書かれないから保険金が出ない。先進医療特約は良いかも。安いし。
- 自営業は所得補償保険をプラス
65歳を超えたら
- 最初の、終身タイプの医療保険だけで十分。
- 加入時期が遅くて掛け金が高いなら、やめてその分を貯金してもよい
- どうしても不安なら生命共済に1口入るくらいやってもいい
- 死亡保険は不要。終身保険も解約返戻金に変えてもいいかも
- 介護保険は、どうなったらもらえるのか確認してからにすること。
書評
タイトル通り、30分程度で読める内容。
「出回っている本も難しい。本の体裁を整えるために余分な情報満載」と最初に書いてある通り…要点だけすんなり入ってきた。
内容メモは、ほとんどそのままになってしまった…またあとで整理する。
Kindle本だからと全く期待していなかったのに、内容が濃く、かなり好印象。
ほぼ全てに渡り気に入ったが、その中でも最も良かったのはモデルプラン。
また、生保だけでなく、他の保険にまで話が言っているのは良かった。
最後の最後、保険金を払う段階に潜んでいる生命保険会社からの罠が恐ろしかった。
最初の本を読んで、保険請求時の申請が面倒なのはなんとなく理解していたが…確かに、自分以外で、さらに70を超えた高齢で…と思うと。
先に読んだ本と共通しているところと、違っているところ。
共通項
- 保険は高額な商品
- 10年更新や転換はダメ
- 保険業界のブラック性
- 特約はあまり付けないこと
- 告知は正確に書く
- 終身タイプに入るなら早いうちからのほうが得
相違項
- 生命保険に貯蓄性を求めるかどうか
- 保証される入院日数
- ガン保険に入るべきかどうか
個人的には、今回のこの本のほうが好き。
とりあえず、「払ったけど、最後にお金はもらえない(もらわない)」というケースだけは避けたいから、満期の時にお金を全部貯金することにしようと思った。