娘よ、保険の本を1冊読んでわかったことを書いておくぞ

タイトルはこちらの記事から。娘はいないですが…

もともとこの記事は読んでいて、感銘は受けていた。
ひょんなことから、嫁が買ってきた「結婚したら知っておきたい保険の選び方」を読んで、ちょっと保険について考えようと思ったのでメモ(書評)。 

結婚したら知っておきたい保険の選び方

結婚したら知っておきたい保険の選び方

 

 余談だが、一番下に見える赤い帯のようなものは、実は帯ではなくプリントされている。

 

この本の結論まとめ

  • 貯蓄性のある、終身保険を選べ
  • できるだけ早く入れ
  • 保険会社は責任準備金で選べ (漢字系は絶対ダメ)
  • 契約者は保険金受取人と同一にすべき
  • 医療保険も死亡保険金があるものを選べ

 

内容メモ

生命保険について
  • 漢字系の保険会社に注意
    ダメ保険しか扱っていない。大手などという理由で選ばない
  • 予定利率の変更があるかどうかをチェックせよ
  • 65歳で保障が終わる保険が多いが、意味が無い。
    「平均寿命」+「平均寿命の人の平均余命」で考えよ。(男性88歳、女性94歳)
  • 旦那同様、妻も保険に入るべき
  • 保険の転換は断れ
  • 更新型保険はダメ(保証期間10年、など)
  • 保険の乗り換えもダメ
  • よくある「保険料が一生あがりません」は、終身払い。
    高くつく上、二ヶ月滞納で失効する
  • 「死んだほうが得」な保険に入るな
  • ネット保険は安いが、安い理由は「人件費が要らないから」ではない。
    65歳で失効するものがほとんどだから。
    (ネットで探す人は、保険料の安いものを探しがち。総支払額で見よ)
  • 「共済」も同じで、安いが65歳で終わる。なお、JA共済だけは終身保険があるが、これはダメ
  • 「ダメ保険」の具体名がこの本にはズラーっと書いてある
  • ダメ保険のまとめ
    - 定期保険特約付き終身保険 のような抱合せ保険
    - アカウント型保険
    - 更新型保険
    - 終身払い保険
    - 転換制度のある保険
    - 平均寿命+平均余命の手前までしか保証されない保険、または共済
    - 元本割れの保険
  • (あからさまにこう書いてはいないが)貯蓄性があり、65歳になった時点で自由に使えるお金を手にしながら保障が生涯続くものが良い。
  • 若い時から入っても、後から入っても、支払う総額は同じ。
    なら、若い時から保障をもらえ。
    なお、若い時のほうが健康であることもあり、安くなることのほうが多い。
  • 月払いよりも、年払いのほうが安い。
  • 会社で薦められる団体扱い保険は高いことが多いのでダメ。
  • かんぽ保険も高いが、「新ながいきくん」は及第点。
医療保険について
  • 医療費以外にもお金はいろいろかかるから、医療保険にも入るべき
  • 死亡保険金がある医療保険のほうが安い (戻ってくる分を差し引くと安い)
  • 解約返戻金がある保険のほうが使いやすい
  • 「入院即日からお金がもらえる」特約のためにお金を払うな。入院金4日間免責、のほうがお得
  • 入院期間は老後を考えると120日がベスト(あとから伸ばせないので、最初から120日を選んだほうが良い)
  • 特約は基本的に要らない。(特約=掛け捨て)
    特約を選べるような保険を選べ
  • 家族医療保障特約は危険。(保険者である夫が死亡した場合、妻の保障も一緒に消えるので、入りなおさなければならない それが割高)
  • がん保険はいらない。そのお金で、きちんと定期健診を受けよ。
保険相談窓口(代理店)、保険会社の選び方
  • 漢字系保険会社、不払いの多い外資系保険会社、一度破綻した保険会社を取り扱っている代理店はダメ
  • ソルベンシーマージン比率はあてにならない 借金のことが考慮されていない
  • 格付けも信用ならない
  • 責任準備金を調べるのが吉。が、この金額はわからないので、収入保険料の40%を基準にすべし
  • 各保険会社の責任準備金(相当の値)の一覧が具体的な名前で本に書いてある

 

 

所感

もともと、「旦那の保険金を受け取る奥様」をターゲットにしているからか…「受け取るお金をいかにして増やすか?」に主眼が置かれている。というか、これにしか着目されていないレベル。

「自分を契約者にすることで、税金が相続税ではなく所得税になる」
「契約者にすると、”最後の最後で受取人を旦那の愛人に勝手に変えられた”みたいなことも防げる」
「そうすると離婚した時も安心」
などの項目には… 知れてよかったけど、なんだかなぁ。と思ったり。

 

世の中の奥様方が、たくさん相談してくる、というのは確かなのだろう。「旦那が死んだら生命保険がもらえると思ってたのに、もらえないやつだったんです!」ってな具合だろうか。なんか恐ろしい…。

 

推したい「貯蓄性のある保険」以外に関しては盲目的であるように感じた。最終的に、いくら払っていくら戻ってくるのか。それがすべて。「戻ってくるお金の額は必要十分か?」などの議論はない。
また、65歳までしか保障が無い保険は「余命より全然前だから意味無いじゃん」と一蹴している。強いて言うなら「メリット:65歳までの限定的な保障が欲しい場合は安い」って書いてあるが…そう書いちゃうともう、デメリットみたいなもんだよね。

 

自分は完全に素人なのだが…、65歳までしか保障がないような保険や、更新型の保険には、「若い時に使えるお金が多い」というメリットはあると思う。

 

先のリンク先のブログでは、「必要な額を埋めるために保険に入る」ということで、年を取るごとに保障が減っていく、「収入保障保険」にしました、とのことだった。
おそらく、65歳までで保障が無くなるような、掛け捨て型の保険を選んだのだろう。

この本の筆者に言わせると、「払ったお金が返ってこないものを選ぶなんてアホちゃう?」なんだろうが、おそらく 藤原大さんからすると、「若い時から高い金額を払うより、若い時は旅行とかにお金を使ったほうがいいに決まっているだろう」ってなくらいなんだろう。

 

以下に、藤原さんのブログの内容「各書に共通していた事項」を転記してみる。

  • いざというときに用意できない大金に備えるのが保険の基本
  • 保険は高額な商品だと理解する。トータルでいくら掛かるのかを考えること
  • あれもこれもと心配しすぎない。すべてを網羅する保険なんて存在しないので心配に優先順位をつけること
  • 保険は「死亡 + 医療」で分けて考える。シンプルな商品を選ぶ
  • 死亡保険は残った人のための保険なので、独身だったり、家族が自立していたりする場合は必要ない
  • 結婚して共働きが続くなら貯金のチャンス。お互い若いなら保険はそれほど必要がないはず。代わりに貯蓄しておくとよい
  • 保険は金融商品。「責任ある新社会人になったから保険に入ろう」といった掛け声にだまされないこと
  • 若いうちは保険にお金を払うよりも、旅行に行ったり、英会話を習ったり、運動をしたり・・・これからの人生の糧になる経験に投資したほうが、人生が豊かになる
  • 子どもができたらこれからの支出を考えるタイミング。保険を考える時期
  • 家を購入したら団体信用生命保険に入らされるだろうから、万が一の時に家のローンの心配はいらなくなる。よって家のローン抜きで必要なお金を計算しなおすこと
  • 今の医療保険は入院一時金と入院日数払いが多く、たくさん入院しないと元が取れない(誤解を恐れずに言うとROIが悪い)
  • 一括一時金のみのがん保険で200〜300万ぐらいの保証金なのでそれぐらいの貯金があれば医療保険は必要ない
  • 今だと高額医療費制度があるので、医療費の支払いが100万超えても10万ぐらいになる。よって貯金があれば医療保険はいらない場合が多い。ただ、公的保証は将来どうなるかわからないから、まめに制度をチェックすること
  • 市区町村によっては、子どもの医療費助成がある。東京だと中学生まで無料。横浜にもあるが収入制限あり
  • 保険を貯蓄は分けて考える。低金利の時代だと保険の貯蓄性は低く、早期解約で元本割れするので動かしにくいお金。学資保険個人年金に入るときは注意
  • 周りに助けてもらえる家族や親戚がいるなら、助けてもらうのもあり

上記は、13冊読んでいて度々出てくる、という話だけど、今回読んだ本とは真逆のことを言っているものも多い。今回読んだ本だと、若いうちから保険に入れ!だった。

どちらの意見も、正しいように思える。
保険の選び方として、大きく二種類に分けられるのかもしれない。

  1. 保険を「万が一の時に"最低限"生きていけるように」選び、他のお金は自分の自由に使う
  2. 保険を「一生涯保証され、かつ  かけたお金も戻ってくるように」選ぶ

藤原さんも、この本の著者である三田村さんの他の著書は読んでいるようなのだけれど、それでも結局(1)を選んだ、ってことなのかな。

お金の価値は時間で変わってくる、という話に似ているのかも。
今 100万円もらえるのが得か? 40年後に1000万円もらえるのが得か?

これの中間をとろうとすると、筆者が「史上最悪の保険」だと罵っている「抱き合わせ型保険」になるのかもしれない。

 

まだ、自分のスキルが「ほけんのちしき Lv.2」くらいなものなので、まだどうするかは決めてないけれど…他の人の本も読んでみようと思う。
先のブログには本当に感謝している。もし、あのブログを読まずにこの本だけ読んでいたら、貯蓄型保険一辺倒になっていたかもしれない。

 

あと、申し込むときに備えて、BMIをちょっと減らしておかなきゃ…

(肥満だと保険料が高くなるらしい!)